作成(その他)

 

概要

  • 以下の区分の様バネ、節点連結や杭系の要素を作成します。作成する要素のタイプによって割り当てられるプロパティを定義することができます。

 

手法

 

 

 

[1節点バネ]

選択された節点に一定の剛性を持つバネを作成します。全体座標系基準でひずみや回転に対する拘束をバネ定数或いは減衰定数を利用して定義します。主に地盤による弾性支持条件或いは動解析の拘束条件に使用されます。

 

[マトリックスバネ]

1節点バネ機能と同様です。ただし、プロパティ定義の際にひずみや回転に対するバネ定数をマトリックス(行列)を使って直接入力することができます。

 

[剛体連結]

 

[1節点バネ]

選択された節点に一定の剛性を持つバネを作成します。全体座標系基準でひずみや回転に対する拘束をバネ定数或いは減衰定数を利用して定義します。主に地盤による弾性支持条件或いは動解析の拘束条件に使用されます。

 

[マトリックスバネ]

1節点バネ機能と同様です。ただし、プロパティ定義の際にひずみや回転に対するバネ定数をマトリックス(行列)を使って直接入力することができます。

 

[剛体連結]

 

 

選択された二つの節点を一定の剛性を持つバネで連結します。基準となる一番目の節点を選択して連結対象となるもう一つの節点を選択して作成します。1節点バネと同様にひずみと回転に一定剛性でプロパティを定義します。

 

 

[補間連結]

 

選択した節点の挙動の平均に重さ係数を適用してこれを基準(参照)節点の挙動で描写するために作成します。剛体連結要素と同様に連結された節点間の運動を拘束する役割をしますが、剛体連結とは違って一つの節点が他のいろいろな節点の運動によって相対的な挙動が出来るように作成する要素です。即ち、選択した複数の主節点の平均的な挙動が参照節点(従属節点)の動きを決定する形態になります。

拘束したい節点と自由度を選択した後に、平均を取ろうとする節点を選択します。各節点別に重さを適用することができます。

  

<剛体連結>                                  <補間連結>

[面分布支持バネ]

要素の支持点に単位面積当たりバネ剛性を入力して1節点バネまたは弾性連結を作成します。

基礎や地下構造物の解析時、地盤による弾性支持条件を考慮する際に使用されます。単位面積当たりのバネ定数を入力すると選択された要素面積を考慮して節点に作用されるバネまたは連結で自動換算されます。

 

面分布支持バネの入力対象は以下の通りです。

  •  フレーム : 1D要素の節点に1節点バネまたは弾性連結を作成します。梁要素の単位長さ当たりの支持剛性を計算するための幅を入力します。

  • 平面 : 2D要素を選択してバネまたは連結を作成します。

  • ソリッド-フェイス : 3次元ソリッドの任意面を指定することができ、選択した面に連結された全ての節点にバネまたは連結を作成します。

  • 要素エッジ : 2D要素のエッジを選択して選択された境界エッジに連結された節点にバネまたは連結を作成します。

単位面積当たり入力される弾性連結はバネ定数を定義する方式以外に別度に"引張専用"、"圧縮専用"オプションが適用できます。

[地盤分布支持バネ]

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 - 粘性/弾性境界の自動作成

 

動解析に必要な弾性/粘性反力を自動的に作成する機能です。自動境界要素を作成するメッシュを選択すると選択されたメッシュの左/右/底面に自動的に境界要素が作成されて要素に割り当てられている材料/プロパティによってバネ定数値が自動計算されます。

 

 

動解析実行時、モデルの底面の場合、基盤岩条件を描写する為に固定条件(変位拘束)を使用するのが一般的です。"底面固定条件"のチェックオプションを使って簡単に設定できます。

 

IMG_C_ICON_NOTE_01.png

弾性境界要素作成方法

  

  •  固有値解析、応答スペクトル解析を実行するためには地盤の境界条件に弾性バネを活用します。

  • このような弾性バネを作成する方法は初級解析者には難しい事であり、次のようなプロセスを通して弾性バネ要素を作成します。

 

1.   地盤の入力物性の中から弾性係数を使ってKv0を算定します。(算定式は次の通りです。)

 

        

 

ここで、E0 : 地盤の弾性係数、 a : 実験条件による係数 (上表参考)


次の試験方法によるひずみ係数E0 (kfg/cm2)

a

常時

地震時

直径30cm の剛体円板による平板載荷試験の反復曲線で求めたひずみ係数の1/2

1

2

ボーリング孔内で測定したひずみ係数

4

8

供試体の一軸または三軸圧縮試験で求めたひずみ係数

4

8

標準貫入試験のN 値でE0=28Nで推定したひずみ係数

1

2

 

 

2. 1.          算定されたKv0を使って地盤反力係数Kv(= Kh)を再計算します。

 

 

ここで、

この際に面積Avは地盤反力バネが設置される区域の面積となります。

 

下図の様なモデルがあった場合

 

Ground Aの面積Av=1m(モデル左側の長さ)*1m(2D解析時の単位幅)=1m2、Bvは1m=100cmとなります。

同じ方法でGround Bの有効幅Bv=√(20000)cm=141.42136 cmとなります。

 

 

最終的に下のように地盤反力係数K値を算定して要素の面積が考慮された1節点バネが節点に作成されます。

 

 

E (tonf/m2)

Ky0

A (cm)

B

K (tonf/m3)

α

Ground A

1000

3.3333

1.00E + 04

100

1351.186643

1

Ground B

2000

6.6667

2.00E + 04

1414213562

2083.845925

1

 

底面部 (Z方向)のバネ係数はX方向と同じ値で作成されます。

(要素の長さx幅(1m)=断面積なので要素の有効長のみを考慮します。)

地盤と地盤が合う部分では重複された2つの境界要素が作成されます。

 

 

粘性境界要素作成方法

  •  時刻歴解析を実行するためにはモデルの境界条件で粘性境界要素が必要です。

  • 粘性境界要素を作成する方法は次の通りです。

 

1.          Cp、 Csの算定

Cp、 Csは以下の式で計算されます。

 

 

  

ここで, , ,

λ : 体積弾性係数、 G : せん断弾性係数、 E : 弾性係数、 ν : ポアソン比、 A : 断面積

 

2.          断面積の場合、surface springが作成される際に自動的に考慮されるのでCp、 Csのみを算定します。

 

 

弾性係数

体積弾性係数

せん断弾性係数

単位重量

ポアソン比

P

S

 

E

(tonf/m2)

λ

(tonf/m2)

G

(tonf/m2)

W

(tonf/m3)

ν

Cp

(tonf·sec/m3)

Cp

(tonf·sec/m3)

GroundA

1000

864.1975309

370.3703704

1.8

0.35

17.1605

8.2437

GroundB

2000

1459.531181

751.8796992

2

0.33

24.5792

12.381

 

tonf·sec/m3 単位のCp、 Csに断面積が掛けられて最終的な粘性境界要素のバネ剛性はtonf·sec/mとなります。

 

陰影で表示されたセルのparameterはユーザーがモデル化の際に入力する地盤の物性であり、体積弾性係数とせん断弾性係数は弾性係数+ポアソン比を使って計算します。したがってユーザーが粘性境界要素を作成する場合、追加的に入力する事項はありません。

 

粘性境界要素を自動的に作成する場合、以下のように要素の面積(有効長*単位幅)を考慮して自動的にバネが作成されます。バネが作成される節点に垂直な方向の係数にCpを入力して平行な方向にCsの値が入力されます。

 

例えば、モデルの左/右側に作成されるバネ係数のCxは各地盤のCp値であり、CzはCs値になります。

底面部はバネ係数のCzがCp値になります。

 

 

 

[ゲージングプレート]

 

ソリッド要素で作られた構造物でソリッド要素表面の力とモーメントが確認出来るようにシェール要素を作成します。ゲージングプレートを作成するためには基盤となるソリッド要素を選択した後、選択されたソリッド要素でゲージングプレートを抽出するための要素フェイスを選択します。ゲージングプレートの剛性は選択されたソリッド要素の剛性に剛性スケール係数を適用して計算され、厚さは選択されたソリッド形状の厚さを自動的に考慮して各要素別の厚さが計算されます。

 

 

<要素フェイスの選択>

<ゲージングプレートの厚さ(赤い点線の長さ)>

[質量]

任意の節点に集中質量を入力します。荷重を質量に換算して解析に適用する際に作成する要素です。

 

 

質量プロパティで入力した集中質量データを選択した節点に自動的に分割入力したい場合に全体質量にチェックします。全体質量機能を使用して節点に分割入力された集中質量データの総和は質量プロパティで入力した集中質量データと同じです。荷重の総和を質量に置換した値を入力した後、全体質量オプションを選択することで固有値解析、応答スペクトル解析、時刻歴解析等のための質量データを便利に適用することができます。

 

集中質量データは全体座標系基準で入力し、質量慣性モーメント(I)は定められた単位系によって定義します。