解析タイプ

 

固有値解析(モード解析)

固有値解析は地盤/構造物固有の動的特性を分析するに使用され、これを通して地盤/構造物の固有モード(モード形状)、固有周期(固有振動数)、モード寄与係数(modal participation factor)等を得ることができます。これらは構造物の質量と剛性によって決まります。

即ち、ある構造物が決まると固有振動数(natural frequency)と振動モード(natural mode)が決まり、これらの個数は構造物の自由度数だけ存在するようになります。実際に構造物の場合は一つのモード形状でのみ振動される場合は殆どなく、色々なモードが重ね合わせられて複合的な振動形状を見せるようになります。

ここで、質量分布率とは複合的な振動モード形状で構造物が振動している場合に各形状別(振動モード別)構造物全体の質量の中で何%がその構造物の振動に参加しているかを表す指数です。例えば、1 モードの質量分布率が60%なら構造物全体の質量の中から第1 モードの振動形状に寄与する構造物の質量が60%であることを意味します。したがって、質量分布率が高いモードを地震波に考慮してあげて解析を行っているが、一般的に構造物の場合はモードの質量分布率の和が90%程度となる振動モードのみ考慮しても十分正確な解析であると見なしています。

しかし、構造物とは違って地盤の材料物性は相対的に小さいので固有値解析で質量分布率が90%を超えることが難しく、周期も相対的に小さくて特に基準は存在しません。

固有周期は固有モードと1:1 対応される固有の値で構造物が自由振動状態で該当モード形状に1 回振動するに所要される時間を意味します。

 

<固有モード形状>

 

<固有周期>

 

一般耐震設計基準では解析に含まれるモード別の有効質量(effective modal mass)の和が全体質量の90%以上を確保するように要求しています。これは解析結果に影響を与える多くの主要モードを含む様にするためのものです。