塑性材料

 

 

塑性解析に適用する塑性モデルを指定します。

塑性モデル

    • Tresca、Von Mises

金属のように塑性非圧縮性を持つ軟性材料に適用

    • Mohr-Coulomb、Drucker-Prager

コンクリートや岩石、地盤のように体積塑性変形を起こす脆性材料に適用

    • 組積造

組積造(ソリッド要素)に対する塑性解析に適用

Note

組積造塑性モデルは、8節点ソリッド要素にのみ適用されます。

 

 

 

リボンメニュー : モデル > 材料&断面 > 材料 > 塑性材料

リーメニュー : メニュータブ > モデリング > 材料&断面 > 塑性材料

 

 

 

塑性材料ダイアログボックス

 

塑性材料の追加/修正ダイアログボックス

性材料ダイアログボックスで、をクリックして次の事項を入力します。

名称

塑性モデルの名称

モデル

塑性モデルの種類

Tresca:金属のように塑性非圧縮(Plastic Incompressibility)のような軟性材料に適するモデルです。

Vob Mises:このモデルは、ひずみエネルギーを元にしたモデルで、金属によく使われるモデルです。

Mohr-Coulomb:Coulomb 摩擦法則が考慮されたモデルで、コンクリート、地盤、岩のように体積塑性性材料に適したモデルです。

Drucker-Prager:このモデルは、 Mohr- Coulombモデルと近似で、 von Misesモデルが拡張されたモデルであり、 コンクリート、地盤、岩のように体積塑性性材料に適したモデルです。

Note1
上の4つ塑性モデルに対する詳しい内容は "Analysis & Design″マニュアル非線形解析の塑性材料モデルの部分を参照してください。

組積造 : このモデルは煉瓦などの組積造に対しての塑性解析に適したモデルです。

塑性データ

 

  • Tresca、Von Misesが選択された場合

 

初期一軸降伏応力度 : 単一軸の引張実験による降伏応力度

 

  • Mohr-Coulomb、Drucker-Pragerが選択された場合

 

初期粘性値:初期粘性

 

Note
Normal 応力度が'0'の場合、せん断応力度のみによる降伏応力度と同じです。
 

初期摩擦角:初期内部摩擦角

 

Note
初期摩擦角の入力は塑性材料モデルが Mohr-CoulombやDrucker-Pragerである場合、"0<初期摩擦角<90″の範囲で入力可能です。その以外の値を入力する場合、 初期摩擦角のデフォルト値を30に初期化して自動的に入力されます。

Tresca、Von Misesを選択した場合

初期一軸降伏応力度 : 単一軸の引張実験による降伏応力度

Mohr-Coulomb、Drucker-Pragerを選択した場合

初期粘性値:初期粘性

Note2
Normal 応力度が'0'の場合、せん断応力度のみによる降伏応力度と同じです。

初期摩擦角:初期内部摩擦角

Note3
初期摩擦角の入力は塑性材料モデルが Mohr-CoulombやDrucker-Pragerである場合、"0<初期摩擦角<90″の範囲で入力可能です。その以外の値を入力する場合、 初期摩擦角のデフォルト値を30に初期化して自動的に入力されます。

硬化則

材料が降伏する時に塑性変形による降伏面の変化を定義します。

降伏面の変化の形によって、硬化則は次のような3種で分類できます。

等方硬化則:等方性の硬化モデル

移動硬化則:移動型の硬化モデル

混合硬化則:混合型の硬化モデル

Note4
上の3つ硬化法則に対する詳しい内容は"Analysis & Design″マニュアル非線形解析の硬化法則の部分を参照してください。

Back Stress 係数:等方硬化則の程度表示

等方硬化則の場合 : '1'

移動硬化則の場合 : '0'

混合硬化則の場合 : '0 ~ 1'の間の値

Note5
塑性ひずみのすべての増分は次のように等方硬化と移動硬化に対する成分で分けて表示することができます。

ここでMはBack Stress係数で'0~1'の値を持ちます。

硬化係数降伏以後の材料の接線剛性を入力します。一般的に1次降伏以後には初期接線斜めより小さくなるとか一定の値を持つようになります。

Note6
塑性材料(Von Misesである場合)の硬化係数は材料のElastic Modulus以上の値を入力することができません。

 

Note7  材料非線形モデルの限界及び使用上注意事項

MIDASに内蔵されている材料非線形モデルは弾塑性モデルで、von Mises、Tresca、Mohr-Coulomb、Drucker-Pragerの4つで構成されています。この中でvon Mises、Trescaモデルは、拘束圧力に対して独立なので、靭性の高い材料である鋼材のモデルに適した材料モデルです。Mohr-CoulombモデルとDrucker-Pragerモデルは拘束圧に対して従属する特性を持ちコンクリートや岩盤または、脆性挙動をする材料に適します。4つの各モデルは、全て等方性硬化モデル(Isotropic hardening)と移動硬化モデル(Kinematic hardening)を持っています。しかし、実務では、移動硬化モデル(鋼材のように靭性が高い材料に表れる挙動特性)はvon Mises、Trescaモデルで多く使用され、Mohr-Coulomb、Drucker-Pragerモデルのように脆性モデルには一般的に使用されません。MIDASでは、硬化挙動をbilinear挙動と規定しています。cyclic荷重を受ける鋼材を等方性硬化モデルと移動硬化モデルの混用モデルに適用する場合、図3と同じ応力経路を持ちます。

図3 Cyclic 荷重を受ける鋼材の挙動

 

施工時多く使用される一般構造用鋼を解析する場合、図4と同じ完全塑性挙動を仮定することが一般的でありますが、降伏点を超える場合、剛性が0になるので、構造物のモデリング時には御注意下さい。

 

図4 完全塑性挙動

 

コンクリートのような脆性モデルは、図5と同じように引張挙動と圧縮挙動が異なります。引張挙動の場合、ひび割れモデルを使用し挙動を予測することが一般的です。MIDASではひび割れモデルとコンクリートの圧縮挙動時、観測される非線形硬化挙動に対するモデルは内臓されていません。

 

 

図5 コンクリートの引張及び圧縮挙動

 

Mohr-CoulombとDrucker-Pragerモデルは、3次元の主応力空間上で図6及び図7のように六角錐、または円錐形状の破壊面を持ちます。炭素性モデルの数値解析時、要求される応力回帰はこのような破壊面の垂直方向を使用します。Mohr-CoulombとDrucker-Pragerの場合、頂点からC-1不連続性(微分不可能)を持つため、回帰方向の解が単一解ではなく、発散します。よって、図8に示しているapex regimeに応力状態が存在する場合、解は発散します。このような問題に対しては別途考慮する必要がありますが、現在本プログラムでは考慮されていません。

 

 

(a) Mohr-Coulomb failure surface

 

 

 

(b)  -plane                                        (c) meridian plane

図 6 Mohr-Coulomb yield surface in Π-plane & meridian plane

 

 

(a) Drucker-Prager failure surface

 

 

 

(b)  -plane                               (c) meridian plane

図 7 Drucker-Prager yield surface in Π-plane & meridian plane

 

図 8 Apex regime

 

組積が選択された場合

 

煉瓦材料プロパティ

 

 

ヤング率

ポアソン比

圧縮強度, fc

引張強度, ft

剛性低減率 :

ユーザーが剛性低減率を非常に小さな値に設定した場合、組積造モデルは非線形挙動をします。 同じ理由で、剛性低減率を「1」に設定した場合、組積モデルは線形挙動をします。

摩擦角

 

Bed Joint 材料プロパティ

 

 

ヤング率

ポアソン比

圧縮強度, fc

引張強度, ft

剛性低減率 :

ユーザーが剛性低減率を非常に小さな値に設定した場合、組積造モデルは非線形挙動をします。 同じ理由で、剛性低減率を「1」に設定した場合、組積モデルは線形挙動をします。

脱付着強度

 

Head Joint 材料プロパティ

 

 

ヤング率

ポアソン比

圧縮強度, fc

引張強度, ft

剛性低減率 :

ユーザーが剛性低減率を非常に小さな値に設定した場合、組積造モデルは非線形挙動をします。 同じ理由で、剛性低減率を「1」に設定した場合、組積モデルは線形挙動をします。

脱付着強度

 

ジオメトリー Joint 材料プロパティ

 

 

煉瓦の幅 : 煉瓦長さ

煉瓦の高さ : 煉瓦高さ

Bedの厚さ, Tb : 横モルタル層の幅

Headの厚さ, Th : 縦モルタル層の幅

 

 

材料座標系

方向選択:組積造は直交違方性材料ですので、材料座標系の定義が重要です。

(組積造の垂直軸:組積造の水平軸で示しています。)

全体-Y:全体-X

全体Yと全体Xは、重力方向と組積造の水平方向と一致いなければなりません。

要素-y:要素-x

要素yと要素xは、重力方向と組積造の水平方向と一致いなければなりません。

全体-Z:角度

全体Zと指定した角度は、重力方向と組積造の水平方向と一致いなければなりません。

 

Note8

組積材料モデルは等価の直交異方性モデルですので、材料軸方向を適切に設定しなければなりません。

ですので、全体Y:全体Xより、要素yと要素xや全体Z:角度で材料座標系を指定したほうが良いです。