地震荷重による部材力増大係数

 

 

地震荷重に対する耐力設計値の調整係数(耐力調整係数)で、解析結果から出力された断面力を増大させるのに使用します。

 

 

 

リボンメニュー : 設計 > 一般設計パラメータ > 地震荷重による部材力増大係数

ツリーメニュー : メニュー タブ > 設計 > 一般設計パラメータ > 地震荷重による部材力増大係数

 

 

 

vdg10.jpg

c.jpgオプション

値を追加/変更するか削除するかを選択します。

追加/変更 : 新規入力した値は追加され、既に入力した値がある場合には、変更します。

削除 : 既に入力されている値を削除します。削除する場合は、値を入力する必要はありません。

c.jpg地震荷重による部材力増大係数

部材力の成分別に増大係数を適用します。

荷重ケース

地震荷重によって発生される部材力に適用する場合

軸力 : 軸力

モーメント :モーメント

せん断 :せん断力

荷重組合わせ

地震荷重を含む荷重組合わせ条件で計算される部材力に適用する場合

軸力 : 軸力

モーメント :モーメント

せん断 :せん断力

 

apply_3.gif : 入力した値を選択された部材に適用します。

close_3.gif : 入力ダイアログボックスを閉じます。

 

Note 1
地震荷重による増大係数は、中国規準(GBJ17-88、 GB50010-02、 JGJ138-01)で、耐震設計の特別規定で構造物の耐震等級を指定した場合、モデル全体に一括適用されます。一方、部材ごとに増大係数を適用する場合はこの機能を使用します。
 
Note 2
中国規準(GBJ17-88, GB50010-02, JGJ138-01)の耐震設計特別規定によって増大係数を適用した後、この機能を適用した場合には追加適用されます。中国規準による耐力調整係数を適用した場合は詳細計算書に"Modification EQ Combinations"と表記され、この機能を利用して適用した場合は"Scale Up Factor EQ (Combinations or Load Case)"と表記されます。
 
Note 3
入力された地震荷重の増大係数は要素番号順に整理されており、確認または修正/追加、削除のためにはデータテーブルを呼び出します。
データテーブルの呼び出し方法は以下の通りです。
 
メインメニューで 設計 > 一般設計パラメータ > 一般設計パラメータテーブル > 地震荷重による部材力増大係数
 
ツリーメニューの テーブル タブで 設計テーブル > 一般設計 > 地震荷重による部材力増大係数

 

Note 4
「部材力増大係数の設定」と「RC規準設計>耐震設計の特別規定を適用」が同時に設定された場合応力の割増は、両方適用されます。例えば、「部材力割増係数の設定」で10番部材のせん断力を1.4倍の割増に設定し、「耐震設計の特別規定を適用」でa2=1.5にした場合は、10番部材の設計用せん断力は、1.5x1.4x(10番部材のせん断力(解析結果))になります。
部材力の割増係数は、モデル化が不十分であり割増をする必要があると判断した部材や規準で割増をするように規定されている部材(例えば、筋かいの応力割増)などに適用するためのものです。
また、「耐震設計の特別規定を適用」の係数は、せん断破壊を防ぐためにRC規準に定められたものです。よって、RC規定の地震せん断力割増の目的以外に、地震力に対して軸力や曲げモーメントを割増して設計を行いたい場合は、「部材力割増係数の設定」だけで良いです。

 

Note

1. 本機能の開発背景及び使用性

本機能はもともと中国ユーザーの要望によって開発された機能です。しかし、適用される設計規準範囲は、中国規準限定でなく、プログラムに含まれている全ての設計規準に適用することができます。

本機能が必要な場合は、ある特殊な設計部材において、耐震設計のための荷重ケースまたは荷重組み合わせに対してより大きな安全率を反映する必要があると設計者が判断した場合に使用すれば便利な機能です。

即ち、大きな地震荷重を負担しなければならないTransfer GirderまたはTransfer Columnにより大きな安全率を与えたい場合には本機能は有効な機能として使われます。

しかし、もともと日本の設計規準は地震荷重に対して先進設計規準であり、プログラムに搭載されている日本規準は、日本設計規準をその意図通りに反映させるため、曲げ破壊が生じた後にせん断破壊が生じるようにプログラム内部で自動計算しております。

例えばRC造ですと、日本建築学会“鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説-許容応力度設計法-1999改定”の“15条 梁・柱及び柱梁接合部のせん断補強”の“2.梁”の“式(7)”と“3.柱”の“式(9)”に従って計算しております。

 

2. 入力データでの荷重ケースと荷重組合わせの違い

 

vdg10.jpg

c.jpg荷重ケースで入力する場合

例えば、ある荷重組み合わせが以下のようであると過程します。

 

D + L + EX

 

ある特定の部材(要素)を選択してモーメントの増大係数を“2”を入力した場合には、プログラム内部では以下のように計算します。

 

D + L + 2×EX

 

結果として、EXに対する曲げモーメントMy, Mzは、2My, 2Mzとなります。

 

c.jpg荷重組合わせで入力する場合

 

例えば、ある荷重組み合わせが以下のようであると過程します。

 

D + L + EX

 

ある特定の部材(要素)を選択してモーメントの増大係数を“2”を入力した場合には、プログラム内部では以下のように計算します。

 

2×(D + L + EX)

 

但し、地震荷重ケースが含まれている荷重組合わせのみに適用されます。

結果として、この荷重組合わせに対する曲げモーメントMy, Mzは、2My, 2Mzとなります。

 

c.jpg荷重ケースと荷重組合わせを同時に入力する場合

 

例えば、ある荷重組み合わせが以下のようであると過程します。

 

D + L + EX

 

ある特定の部材(要素)を選択してモーメントの増大係数を“2”を入力した場合には、プログラム内部では以下の

ように計算します。

 

2×(D + L + 2EX)