選択ツールバー

選択機能は各種機能の実行時に対象を指定する方法でモデル化作業全般に渡って必須的に使用される非常に重要な機能です。作業状況と対象によって最も効果的な選択手法を適用することは複雑な大規模モデルの作業では特に必須的な事項であります。

FEA  NXは全ての作業状況でユーザーが最も効果的に対象の選択ができるようにさまざまな選択手法を提供します。

 

FEA  NXの全ての選択手法は選択ツールバーで提供されます。

ボタンをクリックしますと当該機能の説明がポップアップウィンドウで表示されます。)

ワークウィンドウでマウスを利用して作業対象を選択する際、特定セットの上にマウスを動くとマウスの位置で感知された対象の境界が緑色で表示され、選択対象が正しく感知されたかを予め確認することができます。選択された対象は緑色でハイライトされます。

ピック/レクトアングル(Pick/Rectangle) セレクション

指定対象を選択に追加するモードに設定します。

 

選択解除モード

指定対象を選択解除するモードに設定します。

 

選択

個別に一個ずつクリックするかマウスドラッグで領域を指定して領域に含まれる対象を選択または選択解除します。

領域を選択する方法は四角形、楕円形、ポリゴン、ポリラインがあります。

  • 四角形(Pick/Window)

   現在選択されている全ての対象を選択/解除します。

   個別に一個ずつクリックするかマウスドラッグで長方形領域を指定して領域に含まれる対象を選択または選択解除します。

     PickとWindowはマウスクリックとマウスドラッグによってのみ区分されます。

 

     [Pick選択]

   対象を一個ずつクリックして選択または選択解除します。

          Selectモードでは既に選択した対象をもう一度Pickで選択すると選択が解除されます。

 

[Window 選択]

   マウスドラッグで長方形の対角線の角を指定して該当長方形領域に含まれる対象を選択または選択解除します。

    マウスをドラッグする途中でEscキーを押して長方形領域の定義をキャンセルすることができます。

*Window 選択で長方形領域を定義する際、マウスドラックの方向は重要ではありません。

交差されるセットの含む/含まないはInclude Intersectedオプションのみによって決定されます。

 

  • 円形

   円の領域に含まれる対象を選択または選択解除します。

   円を定義する際には縁の中心位置でマウスを左クリックしたまま、マウスを動かして半径のサイズを指定します。マウスのドラッグの途中でEscキーを押して円の定義をキャンセルできます。

 

 

 

  • ポリゴン

   ポリゴンの領域に含まれる対象を選択または選択解除します。

  ポリゴンを定義する際にはマウスでポリゴン領域の隅点を順次的にクリックした後、最後の点を指定するとき、マウスの左をダブルクリックします。そうすると、終点と始点が繋がった閉多角形が定義されます。

マウスで隅点を指定する途中でマウス右クリックをすることでポリゴンの定義をキャンセルできます。

 

 

  • ポリライン

   ポリラインを描いて交差する対象を選択または選択解除します。

   ポリラインを定義する際にマウスでポリラインを通る連結線を指定する為のポイントを順次的にクリックした後、最後のポイントを指定するとき、マウスの左をダブルクリックします。マウスでポリラインのポイントを指定する途中でマウスを右クリックしてポリラインの定義をキャンセルできます。

 

 

選択フィルター

選択フィルターはユーザーが望む選択対象のタイプを指定して選択されるセットを一次的にフィルターリングできるようにします。

選択フィルターは現在の作業状況と呼び出し中のコマンドの種類によってプログラムによって予め定義されたセットタイプで構成され、ユーザーはこのような構成で特定のタイプを指定する事ができます。

選択フィルターと関連した作業状況は基本的にコマンドの実行を基準に区分されます。

  • メイン選択フィルター

   メイン選択フィルターは最も基本的な初期構成を持ちます。

メイン選択フィルターではジオメトリセットに登録された幾何形状(下位形状は選択されない)、メッシュセット(Mesh Set)、またデータム(Datum)のみ選択可能です。

*データムはモデル化の基準となる点、軸、平面を意味します。

*メイン選択モードでは”全ての幾何形状選択”の幾何個体のみ選択できるので幾何個体に対する選択フィルターはデフォルト設定である<全ての幾何形状選択>で使用した方が望ましいです。

  • サブ選択フィルター

サブ選択フィルターは該当のコマンドが適用可能なタイプで再構成されます。

ジオメトリに登録された幾何形状は固より、その形状の下位セット(Point, Edge, Face等)、荷重境界、また個別的な節点、要素も選択することができます。

*コマンドによって選択フィルターの構成が異なるので初めて使用するコマンドに対しては必ず選択フィルターの構成を確認することが望ましいです。

 

Shape

タイプ

F-1

Face (下位 Edge 4つ)

E-1

Edge

形状 選択フィルター 選択できるセット
フェイス メイン選択フィルター

1個 (F-1)

 

サブ選択フィルター

1個 (F-1)

エッジ

メイン選択フィルター

1個 (E-1)

 

サブ選択フィルター

5個 (E-1, E-a, E-b, E-c, E-d)

<メイン選択フィルターとサブ選択フィルターで選択の違い>

 

選択フィルターは次の様に構成されています。

 

選択フィルター

選択可能対象

データム軸 (X)

データム軸を選択します。

4 方向(移動/押出し/投影)、回転軸などを指定する際に使用されます。 ̲
データムプレーン (U)

データムプレーンを選択します。

4 作業/投影/分割/対称プレインなどを指定する際に使用されます。

幾何形状関連

ジオメトリ (P)

“シェープ”の最上位幾何形状を選択します.
ソリッド (D) ソリッドを選択します.
シェル (J) シェルを選択します.
フェイス (A) フェイスを選択します.
ワイヤー (W) ワイヤーを選択します.
エッジ (G)

エッジを選択します.

ポイント (B)

ポイントを選択します.

コンパウンド (C) コンパウンドを選択します.
メッシュ / 節点 / 要素関連
メッシュセット (M)

メッシュセット(Mesh Set)を選択します.

4 メッシュセット自体の選択、メッシュセットに属した全体節点または要素の選択時に使用します。

<メイン選択フィルターの選択可能な要素>

 

幾何形状関連

フェイス  (F)

“シェープ”の下位ジオメトリでフェイスを選択します.

エッジ (E)

エッジを選択します.

ポイント (V)

ポイントを選択します.

荷重/境界  (L)

幾何形状に適用した荷重/境界条件選択します.

メッシュ / 節点 / 要素関連

節点 (N)

節点を選択します.

要素 (T)

要素を選択します.

<サブ選択フィルターの選択可能な要素>

 

IMG_C_ICON_NOTE_01.png

メイン選択フィルターとサブ選択フィルターで選択の違い

メイン選択フィルターとサブ選択フィルターで同一な選択フィルターを設定しても選択されるセットが違うもの、つまりメイン選択フィルターでは“シェープ”の最上位の幾何形状のみ選択可能であることが最初は珍しいかもしれませんがモデル化に良く用いられる機能です。

次の例を用いてメイン選択フィルターの便利な点をご紹介します。

下の図は3次元のランダム形状を持つ曲面の断面をエッジで作成し、これらのエッジを補間して曲面(Face)を作ったものを現わしています。

曲面を作った後にそれ以上必要のない8つのエッジを隠す為に(または、削除するために)、この8つのエッジのみを選択する場合を考えてみます。

 

 

  • メイン選択モードで“シェープ”でない全ての幾何個体に対する選択を許容する場合

選択フィルターを‘ジオメトリ’で指定して[四角形選択]を使用すると9つの“シェープ”(フェイス1個、エッジ8個)が選択されます。

  • 選択フィルターを<エッジ>に指定して[四角形選択]を使用する場合*

総12個のエッジが選択され、この中の4個のフェイスの下位エッジはフェイスに従属されるものであるため独立的に隠す処理は出来ません。

*手動選択を使用することも可能であるが、“シェープ”であるエッジとフェイスの下位エッジが同一位置に存在するため手動で個別に選択するのも簡単ではありません。

  • サブ選択モードで“シェープ”である幾何個体に対する選択のみ許容する場合

選択フィルターを<エッジ>で指定して[四角形選択]を使用すると8個の希望するエッジのみを簡単に選択して隠す処理ができます。

*実際の使用の際には、ワークツリーを用いることができるため、このような作業を通して作業を簡単に実行することができます。

 

このように実際の作業で選択の便意を提供する為に」メイン選択フィルターとサブ選択フィルターを区分しています。

 

 

IMG_C_ICON_NOTE_01.png選択フィルターの活用

 

サブ選択フィルターを活用したコマンド実行モード

ワークウィンドウでサブ選択フィルターを活用してジオメトリに直接拘束条件と荷重条件を定義することができます。² また、パーツを選択要素に指定して材質とメッシュも指定可能です。サブ選択フィルターで形状の下位セット(Point, Edge, Face)、接点および要素などを選択します。ワークウィンドウでサブ選択フィルターを活用するとジオメトリックな特徴を利用して別途のコマンド実行モードの過程を辿らなく、簡単に定義できます。

*幾何形状を基準に節点または要素を選択するためには該当の幾何形状が画面上に見える状態(Show)である必要があります。

 

 

方向、回転軸の指定

移動(Translate)、押出し(Extrude)、投影(Project)などの作業で方向を指定する際、また、回転(Rotate)、回転押出し(Revolve)などで回転軸を指定する時のようにモデル化過程の中には方向/回転軸を指定することが頻繁に発生します。このような場合、データムと幾何形状のジオメトリックな特徴を用いてさまざまな手法で方向または回転軸が指定できます。

 

つぎは方向と回転軸の指定で使用可能な手法に関して整理したものです。

使用可能セット

使用されるジオメトリックな特徴

選択フィルター

データム軸①

データム軸の方向

データム軸

データムプレーン

データムプレーンの法線方向

データムプレーン

直線エッジ

直線の方向

エッジ

円または円弧エッジ

/円弧の中心点と円/円弧が存在する平面法線方向

エッジ

平面のフェイス

平面の法線方向

フェイス

回転体のフェイス

回転体(シリンダーなど)中心軸

フェイス

2ポイントベクトル

ユーザーが指定する2ポイントベクトル

必要なし

プロファイルの法線

押出しなどで平面の定義が可能な元のセット(Profile)法線方向

必要なし

 

  • ①方向、回転軸の指定で選択フィルターは基本的に<データム軸>で設定されます。

  • ②押出し(Extrude)と同様な一部の機能で制限的にサポートされます。

 

 

 

 

 

 

このように独創的な幾何個体の幾何学的な特徴を活用する選択モードを利用することで非常に複雑なモデルでも実際に要求される大体の方向と回転軸を簡単に指定できます。

 

幾何個体の階層の概念を活用した選択

幾何個体の階層の概念を活用して下位個体を選択する際、上位個体を基準に選択する機能、つまり上位個体を選択するとこの個体に属した全ての下位個体(選択フィルターのタイプに該当する下位個体)を選択する機能を提供します。

次の様な図でサブ選択フィルターをエッジ(E)で設定すると個々のエッジを一個ずつ個別に選択しなければならないが、サブ選択フィルターをフェイス(F)として対象エッジが属したフェイスのみを選択すると4個の下位のエッジが全て選択されます。

 

 

つまり、特定の個体に属した下位個体全体を選択する際には[サブ選択フィルター]を上位個体のタイプに設定し、上位個体を選択した方が簡単です。

 

節点、要素の選択

幾何個体の階層の概念のように節点、要素を選択する際にも選択フィルターをメッシュセット(M)に設定してメッシュセット(Mesh Set)を選択すると、該当のメッシュセットに属した全ての節点、要素が選択されます。

幾何モデルにメッシュを生成した場合には幾何個体(エッジ、フェイス)を基準に該当幾何個体に生成された節点と要素を選択することも可能です。

*幾何個体を基準に節点または要素を選択する為には該当の幾何個体が画面上に見える状態(Show)でなければなりません。

 

 

 

フィーチャーアングル(Feature Angle)を利用した節点、要素のフリーフェイス/フリーエッジ選択機能

荷重、境界条件の特徴を考慮して対象をより簡単に選択できるように追加的な選択するように追加的な選択機能を提供します。

最も有用な機能は3D要素の隣接フリーフェイス(Free Face)、2D要素の隣接フリーエッジ(Free Edge)上の節点を選択する機能です。

*この選択方法は幾何個体とは無関係であるので、幾何モデルを使用しないで直接手作業でメッシュを簡単に使えます。

 

 

 

隣接したエッジ/サーフェスを全て選択 

サーフェス、エッジなどの要素を選択した後、マウスをクリックすると隣接した要素(サーフェス、エッジ)を自動的に選択できるようになります。

 

 

リミットフィーチャーアングルを持つ隣接したエッジ/サーフェスを選択 

サーフェス、エッジなどの要素を選択した後、マウスをクリックすると隣接した定義されたフィーチャーアングル内の要素(サーフェス/エッジ)を自動的に選択します。

 

 

リミットフィーチャーアングル

隣接したエッジまたはサーフェスを選択するフィーチャーアングルを定義します。

 

 

交差

四角形、円形、ポリゴンで領域の境界線に掛かった対象まで含みます。

*交差選択オプションを実行すると領域の境界線が点線で描かれます。また、マウスで四角形、円形、多角形選択のための領域を描く間、 Ctrlキーを押して離すと交差選択オプションに転換されます。

 

 

前面選択

現在のビュー状態で選択した領域の中で前にある対象のみが選択されます。

対象が複数層で存在する場合、一面の対象のみを選択する際に使用します。

 

 

すべて選択

現在のワークウィンドウに表れている全ての対象を選択します。

全体表示状態では現在ワークウィンドウに描かれた全ての個体が選択されます。

 

 

全選択解除

現在のワークウィンドウに表れている全ての対象を選択します。

全体表示状態では現在ワークウィンドウに描かれた全ての個体が選択解除されます。

 

 

節点/要素ID指定選択

節点、要素選択モードでIDを入力して対称を選択または選択解除します。

このID選択方法は他の選択方法と一緒に使用できます。節点または要素選択モードは選択フィルターが“節点(N)”または“要素(T)”で設定されていることを意味し、節点、要素に対する操作機能(節点、要素を直接選択して使用する機能)でのみ使用可能です。ID選択を呼び出すとワークウィンドウの右上にID選択ダイアログボックスが現れ、以降の選択過程は次のような方式となります。

  • ID選択ダイアログボックスに直接節点または要素IDを入力して該当の節点、要素を選択します。

  • ワークウィンドウで他の方法(Pick/Window, Circleなどの選択方法)で節点、要素を選択すると選択された節点、要素のIDがID選択ダイアログボックスに伝達されます。ユーザーはID選択ダイアログボックスに伝達されたIDを確認、修正して望む節点、要素のみ選択します。² 重複された節点、要素の中の一部のみを選択する際にはID選択を利用することが簡単です。

* ID 選択ダイアログボックスは選択管理者とコマンドダイアログボックスの中間者(選択対象フィルターリング後ダイアログボックス)の役割を担当します。

 

 

ID選択ダイアログボックスのボタンは次の様に構成されています。

追加

新しく入力したIDを持つ節点、要素を選択に追加します。

変更

既存の選択は全て解除し、新しく入力したIDを持つ節点、要素のみを選択します。(選択置換)

削除

ID入力欄の内容を全て削除します。

閉じる

ID選択ダイアログボックスを閉じます。

 

*入力欄の内容を全て消した後、ワークウィンドウで新たな節点、要素を選択してもID選択ダイアログボックスには既存に選択された節点、要素のIDが一緒に現わされます。