材料一般(挙動特性)

 

杭 (Pile & Pile Tip)

杭要素の挙動は母体要素と杭である梁やトラス要素間の界面挙動を意味します。杭に対する界面挙動は杭について二つの法線方向挙動と一つの接線方向挙動で分けられます。ジョイント要素のように界面挙動描写のためのせん断/垂直剛性を定義しますが、ここで二つの法線方向(垂直)挙動は杭と母体要素が完全に一体された鋼体挙動をすることと仮定し、接線方向(せん断)挙動は非線形弾性挙動をするものと見なします。

 

杭端要素の挙動は母体要素と杭端の一つの節点間の相対挙動、つまり界面挙動を表します。杭端要素の要素座標軸で杭に対する法線方向挙動は杭挙動と同様に鋼体挙動をするものと仮定し、接線方向挙動は非線形弾性挙動をするものと見なします。

杭要素の場合には非線形材料モデルで多重カーブの入力を受けたり、完全塑性挙動のための値の入力を受けます。

 

杭要素と杭端要素は基本的に剛性と支持力或いは極限力を通じて非線形挙動を表します。また、非線形挙動ができるように関数でも定義でき、特に杭の場合高さ別に異なる関数が定義出来るように3D tableが提供されます。

 

杭のせん断剛性を降伏力で定義する場合、以下の図のように高さによって傾き及び降伏力が変化される完全弾塑性挙動をすると仮定します。また、関数の形で定義する場合にはユーザーが高さ別変位-摩擦力の関係曲線が定義できます。

 

<相対変位-摩擦力の関係>

 

 

垂直方向の場合、一定の係数値を入力します。非線形解析で線形として解析を実行します。せん断方向の場合に線形では入力された係数で線形として解析をし、非線形解析の場合は最大せん断力を共に考慮して完全塑性モデルで解析をします。

もし、高さによってせん断剛性をそれぞれ考慮する場合には関数が利用できます。

 

最大せん断力(Ultimate Shear Force) : 杭に作用する最大せん断抵抗力を杭の長さと杭要素の厚さで割った応力の単位で入力します。荷重載荷実験を行う場合、最大作用荷重をせん断抵抗が作用する杭の周面長と全体長で割った値に該当します。

 

せん断剛性(Shear Stiffness Modulus : Kt) : 摩擦応力-相対変位曲線の線形区間傾きです。

 

関数 : 接線方向の非線形弾性挙動を定義するために、最大せん断力とせん断剛性係数を入力する変りに、高さ別の摩擦力-相対変位曲線が定義できます。

 

法線剛性(Normal Stiffness Modulus : Kn) : 水平作用力に対する地盤の抵抗力と相対変位曲線(p-y curve)の線形区間傾きに該当します。ここで、地盤の抵抗力は杭の長さと等価の杭幅で割った応力単位で表現します。設計で簡単に水平地盤反力係数のような概念としてみることもでき、設計コードによって地盤の弾性係数を杭の等価幅で割ってここに杭の断面特性によって一定係数を掛けて適用することができます。

 

解析実行以降の杭周面摩擦力は杭要素の長さを考慮して単位長さ当たりの摩擦力(N/m)の単位で出力されます。