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非線形時刻歴応答解析のため、モデルに入力されたヒンジ情報及びファイバー設定情報を制御します。
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分布型ヒンジモデルの場合、降伏強度を自動計算する断面位置を選択します。 (Lumped Hingeはヒンジ特性でヒンジごとにI‐端, J-端, 中央を直接選択できます。)
I‐端、 中央、J-端:
Beam-Columnタイプの線要素の場合、柱間内で位置ごとに配筋が異なければ強度が異なります。
Pushoverの解析時、降伏強度を自動計算する時の部材のどの断面位置の配筋強度を適用して計算するかを決定します。
( I‐端、 中央、J-端)
梁ー柱:自動生成の分割数
梁ー柱の線要素の部材の自動分割数を指定します。
板タイプの面外非線形を考慮
:板タイプで生成された壁体ファイバーモデルの面外方向非線形性を考慮するかを設定します。
自動生成の分割数
:壁要素の分割方法を指定します。
Q. 非線形特性の降伏強度について
鉄骨の非線形特性で、1次降伏は、Mu=Zp×F値(1.1倍は考慮しない)と理解すればよろしいでしょうか?
また、1.1倍考慮する場合、別途計算することなしで一律に入力データで考慮することはできますでしょうか?
という問い合わせの回答で『設計 > 鉄骨設計パラメータ > 鉄骨材料の修正』で規格を Noneに変更し、降伏応力度(Fy)の値を
1.1倍考慮した降伏応力で入力してください。との回答を頂きました。
しかしながら、最近になり確認したところ解析後、ここで修正を行っても、「解析結果を削除します」というメッセージが出てきません。
ということは、解析結果に変更はないようです。
A.
解析に反映するためには、
『設計 > 鉄骨設計パラメータ > 鉄骨材料の修正』で考慮したい降伏応力を入力して、
『モデル>材料&断面>非線形特性』の非線形特性の追加/修正で
OKボタンをクリックする必要があります。
そうすると「解析結果を削除します」というメッセージが出力され、
修正された解析結果が反映されます。
Q. 非線形特性の入力について
1) 市販の一貫計算プログラムなどで、鉛直荷重時に「せん断変形を考慮しない」や「軸変形を考慮しない」といった選択ができます。
これは、鉛直荷重時に曲げ剛性のみを考慮して軸剛性、せん断剛性を考慮しないといったことと思われますが、これをGenで再現
しようとした場合、どういった入力を行えばよいのでしょうか。
柱の不等たわみを発生させないためなら、施工段階解析を使用することをお勧めします。
また、断面性能の増減係数を用いたら再現出来ます。軸方向とせん断面積を十分大きい値として入力することです。
2) また、これを時刻歴応答解析に適用したい場合(初期断面力に考慮したい場合)はどうしたらよいのでしょうか。
鉛直荷重を静的荷重条件に入力して、その静的荷重ケースを以下に表示した部分で選択します。
断面性能増減係数が適用された鉛直荷重の結果を初期断面力に反映することが出来ます。
3) 断面性能の増減係数による入力値は非線形特性の初期剛性に反映されるのでしょうか。
(初期剛性をユーザー入力以外とした場合)
はい、そうです。
4) 「軸方向、せん断剛性は無限に大きな値とする。」という条件を満足させる場合、非線形特性の初期剛性でユーザー入力により
大きな値を入力するのでしょうか。それとも断面性能の増減係数で100倍など大きな係数を入力するべきなのでしょうか。
初期剛性がユーザー入力の場合は、非線形係数の初期剛性でユーザー入力を大きい値を入力する方法で良いです。
弾性剛性の場合は断面性能の増減係数で大きい係数を入力する方法で良いです。
5) ノーマルバイリニア・ノーマルトリリニア・スリップモデルの除荷時は、弾性剛性と初期剛性のどちらで戻るのでしょうか。
初期荷重を弾性剛性に設定した場合には弾性剛性で戻り、ユーザー設定の場合にはユーザー入力値で戻ります。
Q. 非線形特性の初期剛性について
非線形特性で降伏強度-降伏変位を指定しました。この場合は初期剛性が自動的にスケルトン曲線から求めるになります。
二つのモデルで降伏強度は同じですが降伏変位D1が100倍異なります。
『結果>時刻歴応答解析>変位/速度/加速度』で40ステップの変位を確認すると、両方とも結果が同じです。
降伏変位が異なるため、初期剛性も変わると思われるのですが、なぜでしょうか。
材端バネ付きビーム要素の初期剛性は、要素が降伏する前にはどんな値を持っても解析結果には影響を及ぼしません。
降伏した後に影響を及ぼします。従って、二つのモデルが降伏する前の解析結果は同じです。
材端バネ付きビーム要素の初期剛性はヒンジの変形計算時に使用されます。
材端バネ付きビーム要素の初期剛性処理は以下の通りです。
1. 材端バネ付きビーム要素
材端バネ付きビーム要素は主に両端にモーメントが集中される骨組み解析に使用され、長さが0で塑性変形が可能な並進または
回転非弾性バネを梁要素に設定して、これ以外のほかの部分は弾性要素とみなしてモデリングされます。
非弾性バネを挿入する位置は曲げに対しては部材両端部です。
Lumped Inelastic Hinge Type Beam Element
2. 材端バネ付きビーム要素の構成
1) 材端バネ付きビーム要素剛性
: 材端バネ付きタイプ(Lumped Type)のヒンジが与えられた梁要素の剛性行列は柔軟度行列の逆行列で計算されます。
2) 材端バネ付きビーム要素の柔軟度行列
全体梁要素の柔軟度行列は弾性梁の柔軟度行列に非弾性バネの柔軟度行列を足して構成します。
非弾性ヒンジプロパティでユーザーが設定した初期剛性は非弾性バネの柔軟度行列構成時に反映され、弾性梁要素の柔軟度
行列構成時には反映されません。
材端バネ付きビーム要素の柔軟度行列、式(1)に適用
弾性梁要素の柔軟度行列 ? 弾性梁要素の柔軟度行列と同様
弾性梁要素の軸力、曲げ成分に対する要素柔軟度 ? 弾性
弾性梁要素のせん断成分に対する要素柔軟度 ? 弾性
ねじり成分に対する要素柔軟度
要素両端の非弾性バネの柔軟度 ? 非弾性
3) 非弾性バネの柔軟度
要素両端の非弾性バネの柔軟度行列を構成する各成分の非弾性バネの柔軟度を とすると、は現在の
接線柔軟度と初期柔軟度の差で定義されます。従って、弾性状態(降伏する前)の場合にはとが同じなので0です。
従って、非線形プロパティを設定したすべての成分が弾性状態であれば、要素両端の非弾性バネの柔軟度
行列はになり、全体梁要素の柔軟度行列は次のようです。
即ち、要素両端の非弾性バネが降伏する前には非弾性ヒンジプロパティでユーザーが設定した初期剛性に関係なく、
線形弾性解析時の要素剛性と同様なためどんな初期剛性を設定しても同様な結果が得られることに注意する必要があります。