静的増分ヒンジプロパティの定義

 

 

静的増分解析のための非線形ヒンジプロパティを定義します。

Note

ヒンジプロパティ計算時に適用される規準は設計規準で指定したものが適用されます。

設計規準別に適用される計算方式はRC、鉄骨、SRCに区分されます。[適用設計規準]

 - RC設計規準別適用は次のようです。

   (1) AIJ  : AIJ-WSD99

   (2) GB   : GB50010-02

   (3) JTJ  : JTJ023-85

   (4) ACI  : (1)~(3)以外のすべての規準

- 鉄骨設計規準別適用は次のようです。

   (1) AIJ  : AIJ-ASD02

   (2) GB   : GB50017-03

   (3) JTJ  : JTJ025-86

   (4) AISC : (1)~(3)以外のすべての規準

 - SRCは次のようです。

   (1) 被覆タイプ : RC設計規準を従います

   (2) 充填タイプ  : Steel設計規準を従います

 

 

 

リボンメニュー : 増分解析 > 荷重ケース > 静的増分ヒンジプロパティの定義

ツリーメニュー : メニュータブ > 設計 > 静的増分解析データ > 静的増分ヒンジプロパティの定義

 

 

 

入力ダイアログ

割当ヒンジデータの表示

ヒンジプロパティを定義して要素に割当てた後、ダイアログの割当ヒンジデータの表示オプションにチェックオンしたら、

各要素別に自動計算されたヒンジプロパティを確認することが出来ます。確認しようとするヒンジデータを指定(または

ダブルクリック)した後、修正/表示ボタンをクリックしてヒンジデータを確認及び修正することが出来ます。

Note

要素に割当てられたヒンジプロパティは静的増分ヒンジプロパティテーブルで確認できます。

 

: 塑性ヒンジのプロパティ定義

: 指定されたヒンジ特性の修正/表示

: 指定されたヒンジプロパティの削除

 

  • ヒンジデータの生成-静的増分ヒンジプロパティダイアログの入力

ヒンジ定義は要素タイプ定義と要素による成分定義に区分されます。

 

1. 要素タイプの定義 : 一般的に要素タイプの定義は以下のような手順で行うことが出来ます。

 

a. 要素タイプの定義    b. 材質の定義     c. 非線形要素タイプの定義     d. 要素成分の定義

 

静的増分ヒンジプロパティの追加/修正ダイアログ

名称、解説

生成しようとするヒンジの名称(必須入力)と説明文(選択入力)を入力します。

要素種類

要素の種類を選択します。

梁/柱 : 梁及び柱部材            

: 壁部材

トラス : ブレース部材                        

汎用リンク : 汎用リンク要素

節点バネ支持: 支点

Note

“節点バネ支持のヒンジプロパティ”は静的増分解析において、支点に浮上りなどのヒンジ特性を考慮する場合に使用します。

ヒンジ特性を考慮する支点の境界条件は「支持条件」ではなく、「モデル>境界条件>節点バネ支持」で設定します。

「支持条件」が指定された節点の自由度は、支持条件が優先されヒンジ特性は計算に反映されません。

材料タイプ

部材に使用された材料のタイプを選択します。

RC / SRC (被覆) : 鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリート(鉄骨埋め立て形)

鉄骨 / SRC (充填) : 鉄骨または鉄骨鉄筋コンクリート(充填形)

組積 : 組積造

壁タイプ

壁要素のタイプを選択します。

: 面外成分弾性      

: 面外非線形性考慮

要素タイプ

モーメント-回転角 (M-θ) : モーメント-回転角関係で定義

モーメント-曲率 (M-φ Lumped) : モーメント-曲率関係(両端塑性化)で定義

 ヒンジ長さを考慮 : ヒンジ長さを設定する場合にチェックします

     [積分点]

モーメント-曲率 (M-φ Distributed) : モーメント-曲率関係(要素長さ方向の数値積分)で定義

     [分割数]

組積造の鉛直要素で定義 : 組積造の垂直要素定義(モーメント-回転角関係で定義)

組積造の水平要素で定義 : 組積造の水平要素定義(モーメント-回転角関係で定義)

Note

“ヒンジ長さを考慮”にチェックしない場合には、M-Theta要素と同様に要素両端に長さ0の非線形バネが設定されて解析されます。

この際に、非線形バネは、モーメント-曲率関係として定義されます。

ですので、モーメント-回転角の要素と同様に、要素の非線形性は要素両端の非線形バネにより、表現されます。

また、“ヒンジ長さを考慮”にチェックをして、積分点を端部に設定する場合とは違く挙動します。

積分点の位置は降伏の判定の基準になる位置ということのみで、定義されたヒンジ長さが塑性化され、要素の剛性が変わります。

ヒンジ形式

非線形解析に使用されるヒンジ特性を設定します。

スケルトン:スケルトンモデルを使用

ファイバー:ファイバーモデルを使用

変動軸力の考慮(軸力‐曲げ)

しない : 軸力の影響を考慮しない場合

P-M により考慮:軸力ー1軸モーメント変動を考慮した場合

P-M-M により考慮:軸力ー2 軸モーメント変動を考慮した場合

 変動軸力の考慮(軸力‐せん断):RCのみ

しない : 軸力の影響を考慮しない場合

P-Q により考慮:軸力ーせん断力変動を考慮して強度計算する場合

ファイバー断面

ヒンジ形式がファイバーに選択された場合活性化され、Beam-Columnの場合、断面を定義し、壁の場合厚さを定義します。

断面

断面:解析モデルに設置されたBeam-ColumnのSectionIDとNameリストが表示され、断面を選択します。

ファイバー名:ファイバーに定義された断面がリストに表示され、該当タイプを選択します。

厚さ

厚さ:解析モデルに設置されたWall Thickness IDとNameリストが表示され、断面を選択します

ファイバー名:ファイバーに定義された断面がリストに表示され、該当タイプを選択します。

ファイバー壁(板タイプ)の面外非線形:ファイバー壁要素の面外非戦形性設定

非線形特性制御データのオプションの使用:非線形特性正誤データに設定された値適用

ユーザー定義:ユーザー指定

 板タイプの面外非線形を考慮:板タイプの壁要素の面外方向非線形性を考慮 成分別プロパティ

Fx, Fy, Fz, Mx, My, Mz : 非線形プロパティを与えるための自由度

ヒンジ位置 : 非線形プロパティを定義するための要素断面の位置を指定

断面番号 : 分散型ヒンジで属性を定義した場合、要素の分割個数を入力

スケルトン曲線 : 要素の骨格曲線を定義

Note

静的増分で支援できるスケルトン曲線は次のようです。

1. バイリニアタイプ(スリップバイリニアタイプ) : 二線形骨格曲線

2. トリリニアタイプ(スリップトリリニアタイプ) : 三線形骨格曲線

3. FEMAタイプ : FEMAで提案している曲線

スリップ履歴は要素タイプがトラスまたは汎用リンクの場合のみアクティブ化されます。

 

2. 要素による成分定義 : 要素成分の定義(d)は以下のように定義することが出来ます。

 

a. 変動軸力を考慮しない場合 – プロパティ

 

[バイリニア / トリリニアタイプ]

 

[FEMA、変形率タイプ]

[FEMA、インフィルストラットタイプ]

 

 

b. 変動軸力を考慮する場合 – M-N 相関曲面プロパティ

 

c. 材料タイプが組積の場合 - 組積造プロパティ

 

ヒンジプロパティ生成時の参考事項

 

 

Q. PMMヒンジ設定について