1. ジョイント
界面挙動モデルは異質材料または同質材料の境界面挙動を描写するために開発された挙動モデルです。界面挙動モデルは地盤だけでなく建築や土木全般に渡って多くのタイプの境界面挙動を定義する為に使用されている挙動モデルです。界面挙動モデルはCoulombの摩擦法則(1785)に基づいて界面の摩擦力は界面の摩擦係数と界面に作用する法線方向垂直拘束力の大きさに比例するという仮定を従います。
主な使用分野は摩擦杭と地盤境界面、土留め工の壁体と地盤の境界面やライニングと地盤など構造物と地盤の間の境界面や岩盤のジョイント等を描写するに使用されます。

ジョイントの主要入力パラメータは以下の通りです。境界フェイス挙動描写のための剛性(強度)のみならず、浸透流に対する透水係数も定義できます。

[法線剛性(Kn)]
ジョイント要素で法線方向の付着及び脱付着挙動に対する弾性係数です。隣接した要素の弾性係数の中の小さい値の10~100倍を使用するのが一般的な範囲です。
[せん断剛性 (Kt)]
ジョイント要素の接線方向すべり挙動に対する弾性係数です。これは隣接要素のせん断剛性のなかの小さい値の10~100倍を使用するのが一般的な範囲です。
ジョイントの非線形性はクーロン摩擦基準を適用して剛性パラメータと共に実験(相対変位-摩擦力曲線)を通して算出しなければなりませんが、一般的な二つの
材料菅野界面挙動を予測する為に以下の様な仮想厚さ係数(tv)と強度低減係数(R)を適用した経験式を利用して計算することができます。ジョイント要素の作成
時には以下の様なウィザードを使って2つのパラメータ(tv,R)の入力を受けることで隣接地盤要素のプロパティによって自動計算します。


ジョイント材料は以下のような関係式を利用して定義することができます。隣接要素の剛性及び非線形パラメータを利用して仮想厚さ係数(tv)と強度低減係数(R)
を適用します。周辺地盤、または構造部材の相対的な剛性差によってジョイント材料の剛性及びパラメータは異なるように適用されてウィザードを利用して簡単に
設定することができます。
Ex) Kn = Eoed、 i / tv
Kt = Gi/tv
Ci = R x Csoil
ここで、 Eoed、i = 2 x Gi x (1-νi)/(1-2 x νi)
(νi =ジョイントのポアソン比=0.45 、ジョイントは非圧縮性摩擦挙動を描写するためのもので数値エラーを防止する為に0.45を利用して自動計算します。)
tv = 仮想厚さ (一般的に0.01~0.1範囲の値を持ち、隣接勝訴間の剛性差が大きいほど小さい値を入力)
Gi = R x Gsoil (Gsoil = E/(2(1+ νsoil))、 R = 強度低減係数
構造部材と隣接地盤特性による一般的な強度低減係数は以下の通りです。
砂質土/鋼材 = R : 0.6~0.7
粘土/鋼材 = R : 0.5
砂質土/コンクリート = R : 1.0~0.8
粘土/コンクリート = R : 1.0~0.7
隣接地盤にダイレイタンシー角と引張カットオフを定義した場合、ジョイント要素も隣接地盤より小さいか同じ値を定義しないといけなく、粘着力、内部摩擦角の様に強度
低減係数を掛けて適用することもできます。ただし、ジョイントのダイレイタンシー角の場合は強度低減のない(R=1)剛体挙動は地盤と同じ大きさのダイレイタンシー角を
適用しますが、強度低減を考慮する場合、'0(zero)"を入力するのが界面挙動の一般的な定義です。
[モード-IIモデル]
Mode-IIモードはせん断による挙動を表すもので界面の接線方向のスリープ挙動を定義するオプションです。モードはせん断による挙動を表すもので界面接線方向のスリープ挙動を
定義するオプションです。以下の二つのモデルの中で‘Constant Shear Retention’ 機能が数値解析的安定性などを考慮する際に、設計目的で使用するに無難だと判断され、各モデルに対する破壊包絡線は以下の図の様になります。
垂直方向力が引張強度以上であれば構造物が荷重を受けなくなる現象を描写します。

せん断方向で入力された値を適用して構造物がせん断方向へは荷重を受けられるように処理されます。

: 減少されたせん断剛性係数 (Reduced Shear Stiffness)
[マルチリニア硬化]
マルチリニア硬化に関数が入力された場合には塑性変位によってクーロン摩擦降伏関数が使用される粘着力と摩擦角が変化されます。注意すべき点は塑性変位が大きくなるに連れて粘着力と内部摩擦角がそれぞれ大きくならなければいけないということです。
この挙動特性は必ず実験を通して定義される必要があり、実務的な用途よりは主に研究目的で使用されています。
2. シェルジョイント(Shell Interface)
板界面要素は一般的な界面要素と同様に境界面での挙動を描写するために開発された要素です。ここで、板間の回転力も抵抗できるように考慮したのが板界面要素です。
板境界面要素で非線形挙動は移動挙動に対してはクーロン摩擦の法則を従い、回転挙動についてはJanssen法則を従います。移動相対変位と界面力との関係はクーロン摩擦モデルを使用し、いくつかの制限条件があります。Tension Cut-off 機能で引張強度は0で指定され、膨張角は内部摩擦角と同様であり、非対称物性行列は定義されません。そして硬化関数を別に定義することはできません。

シェルジョイントのユーザー提供モデルの場合、"ユーザー定義" 材料モデルと同様です。
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