解析タイプ

 

斜面安定解析(SRM / SAM)

盛土斜面、掘削斜面の安定解析は地盤工学で最も頻繁に捉えられる問題の中の一つです。斜面は重力による自重の位置エネルギーを常に持った状態であり、ここに間隙水圧、再荷重、地震、波力などの外力が作用すると斜面の安定は多く影響されます。この時に自重及び外力によって発生する斜面内部のせん断応力が斜面土質が持っているせん断強度より大きくなると斜面破壊の破壊が発生します。このようなせん断応力とせん断強度による斜面破壊に対する安定性を計算することを斜面安定解析といいます。

 

FEA NXでは斜面安定解析法で次の様な手法が使用できます。

 

·           せん断強度低減法(Strength Reduction Method: SRM): 非線形有限要素法と連動されたせん断強度低減法

·           斜面応力法(Stress Analysis Method: SAM): 非線形有限要素解析法と限界平衡理論(limit equilibrium theory)を基にした手法

 

 

せん断強度低減法(SRM)

 

有限要素法を利用した斜面安定解析は多様な形状と荷重、境界条件に対して斜面の最小安全率計算と斜面の破壊挙動が詳細に分析出来る数値解析手法です。特に、せん断強度低減法は斜面の破壊活動に対する事前の仮定なく自動的で破壊仮定が描写できる手法です(Griffith等 1999; Matsui、 1990)。また、3D、軸対称問題でも適用できるという長所を持ちます。

せん断強度低減法ではせん断強度や摩擦角を徐々に減少させながら、計算が収束されない支点まで解析を行ってその時点を斜面の破壊と見なしてその時の最大強度低下率を利用して斜面の最小安全率と算定します。

 

斜面応力法(SAM)

 

この手法はまず有限要素法を使用して斜面に対する応力解析を行ってこの応力解析結果を基に限界平衡法で使用する過程された色々な場合での破壊面に対する安全率を計算します。この際に複数の破壊面で計算された安全率の中で最小となる安全率値とこの時の臨界断面を算定する方式です。SAM手法は2D環境のみで使用可能な解析です。