解析タイプ

 

線形静的解析

線形静的解析は地盤や岩盤材料を線形弾性材料であると仮定して、静的解析を通じて荷重に対する挙動特性を把握する解析です。地盤材料が線形弾性挙動を見せる時期は荷重が載荷されはじめて、ひずみが微小に発生する荷重載荷の初期段階に局限されます。しかし、線形弾性解析は破壊について考慮せず、応力-ひずみ関係を直線の形で理想化して解析を実行するため、源地盤の応力分布や応力集中部の把握等の簡便解析が必要な場合に広く利用されています。

広義の線形挙動は非線形挙動の特殊な形態としてみることが一般的であるが、線形解析の便利性と直観性から線形静的解析を別度の解析タイプに分けています。線形動解析を含む線形解析では定義された材料の弾性領域の挙動を解析に使用し、elastic

link 要素及び truss 要素も非線形挙動(tension only、 compression only 及び非線形弾性挙動)は無視され、弾性体として解析に参加します。したがって、線形静的解析は地盤の概略的な挙動を観察したり、施工段階の初期条件構成またはトンネルライニング解析を行う場合に有用に使用出来ます。

特に、線形静的解析は繰り返し計算が不要であるため、計算時間が非常に速いという長所があります。FEA NX では線形静的解析でも間隙水圧が考慮でき、弾性材料に対して排水条件と非排水条件を付加して解析が進行できます。