時刻歴解析でも地盤や土木構造物の非線形性が考慮できます。非線形静的解析と同様に材料の非線形性、幾何学的非線形性、そして荷重や境界の非線形性を全てまたは選択的に考慮して解析が行えます。
一般的に多くの地盤は材料非線形の性質を持っているので地盤に対する動的応答は非線形時刻歴解析を通して正確な描写が可能です。
水位
非線形時刻歴解析は比較的短い時間に対する動的応答を把握するための解析なので動解析中の水位は一定に維持されると仮定します。
非線形時刻歴解析の荷重
非線形静的解析では時間に伴って変化する動的荷重(dynamic load)が使用できます。
時間ステップの定義
非線形時刻歴解析では暗黙的(implicit)手法を利用して時間積分を行うことになります。したがって定義された時間ステップの大きさによって正確度の差が生じます。直接積分法を利用した線形時刻歴のように一般的に時間ステップは関心最小周期の10%未満の値を使用すると正確な結果が得られます。過渡に小さな時間ステップを使用すると不必要な計算コストが発生してしまいます。特に非線形解析は各時間ステップの収束解を計算するために反復法を使用するので時間ステップの算定に特に注意が必要です。
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