複雑な非線形挙動を持つ地盤の物性を等価の線形挙動をする物性に単純化して動的荷重に対する地盤と構造物の相互挙動を検討する解析に使用される材料です。
地震のような動荷重の大きさによる地盤のせん断ひずみは持続的に変っていくが、この際に有効せん断ひずみの概念を導入して等価線形値を決定します。必要な入力パラメータとパラメータの適用過程は以下のようになります。

区分
|
解析過程
|
1
|
せん断弾性係数と減衰比の初期値を仮定
|
2
|
初期値から地盤応答やひずみ履歴曲線を算定
|
3
|
算定されたひずみ履歴曲線から得られた最大ひずみを利用して有効ひずみを計算
|
4
|
算定された有効ひずみに対応する等価線形減衰比とせん断弾性係数を使用して再び地盤応答やひずみ履歴曲線を算定
|
5
|
2~4 過程を繰り返して計算されたせん断弾性係数及び減衰比の変化誤差が許容誤差内に存在するまで反復演算を実行
|

<等価線形化技法による非線形せん断弾性係数と減衰係数の収束過程>

等価線形解析と非線形解析での応力とひずみ関係のグラフは次のように表されます。

等価線形で地盤材料の非線形プロパティは最大せん断弾性係数とせん断弾性係数の比 とせん断ひずみ の関数式と減衰比 とせん断ひずみ の関数式で表されます。
このような材料物性値は動的ひずみ試験から得る事ができ、その関係は以下の図の通りです。

ひずみ依存プロパティは以下のように地盤の非線形性と非弾性挙動を考慮するためにせん断弾性係数と減衰比をひずみによる関数で設定することができます。関数を定義しない場合、地盤材料を線形に仮定して入力された(固定された)せん断弾性係数と減衰比を解析に適用します。地盤タイプ別に多様なDBが搭載されていて詳細な事項は以降'関数'部分を参考してください。

|