一般的に岩盤(硬岩、軟岩等)に対して適用されるもので日本電力中央研究所の林、日比野によって提案された区間別線形モデルです。各施工ステージ別に剛性は違いますが、一つの施工ステージ内では剛性が固定値になるように正式化されたモデルです。つまり、このモデルの材料物性値は荷重ステージ別に固定されているので荷重ステージ別の繰り返し計算は不要です。
破壊包絡線についてモール円が接近するによって岩盤の内部結合状態が緩和されて弾性係数は減少し、ポアソン比は増大すると仮定します。したがってモール円と破壊包絡線間の相対距離によって区間別に弾性係数とポアソン比が決定される方式です。

<D-minモデルの破壊包絡線とモール円>
主要非線形パラメータは以下のようになります。

以下の数式のように初期状態と限界状態での材料プロパティを入力すると、塑性程度によって限界状態の材料プロパティで進行されます。

ここで、 は初期弾性係数、 は限界弾性係数、 は非線形プロパティ指数、 は初期ポアソン比、 は限界ポアソン比、 は非線形プロパティ指数です。
破壊包絡線指数( )と緩和指数( )は初期弾性係数( )が増加するに連れて共に増加する傾向があります。三軸圧縮試験の結果を基に日本道路公団が1986年に整理した各種岩石の破壊包絡線指数( )と緩和指数( )と初期弾性係数( )との関係は以下の表のようになります。
初期弾性係数( , )
|
緩和指数( )
|
破壊包絡線指数( )
|

|
2.0
|
1.0
|

|
4.0
|
2.0
|

|
6.0
|
3.0
|

|
10.0
|
4.0
|
<表. 初期弾性係数によるパラメータ (日本道路公団、1986)>
|