変位拘束

 

概要

  • モデルの変位拘束を設定します。

 

手法

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 - 自重および拘束条件の自動作成

 

 

       

 

モデルの変位拘束を設定する手法は[基本拘束]、[アドバンス拘束]、[自動拘束]があります。

 

[基本拘束]

対象を選択した後、[完全拘束]、[並進拘束]、[回転拘束]の中、解析モデルの挙動に適合する条件を選択して与えれば良いです。

 

[アドバンス拘束]

節点の6自由度を完全拘束するか、部分的な拘束が指定できます。

Tx、Ty、Tzはx、y、z方向の変位拘束を意味し、Rx、Ry、Rzはx、y、z方向への回転拘束を意味します。

 

境界条件の指定は望む部分(ポイント、エッジ、フェイス、節点、フリーフェイス節点)に拘束条件が入力できます。

変位拘束はメッシュ節点に与えられて解析に反映されます。ここで、ポイント、エッジ、フェイスなどジオメトリに変位拘束を設定することで、選択した形状に含まれるメッシュ節点に変位拘束条件を設定する方法です。ジオメトリに変位拘束を設定した後、"節点変換"機能を通して節点に作用する境界条件に変更できます。それで、望むメッシュ節点に境界条件が適切に設定されたか検討する際に使用されます。

 

[自動拘束]

拘束させようとするメッシュセットを選択すると自動的に変位拘束を生成します。一般的な応力解析に対する地盤条件を自動的に設定し、モデルの左/右側に対してはx方向変位拘束を、前/後軸に対してはy方向変位拘束を、モデル下部に対してはx、y方向変位を拘束します。

 

 

 

境界条件セット

 

設定した変位拘束を望む境界条件セットに登録します。この際、ユーザーが望む境界条件セットの名称が指定できます。

 

IMG_C_ICON_NOTE_01.png

対称及び逆対称拘束

境界条件は大きく解析対象物の実際の変位拘束をそのまま指定する場合と構造物の対称性を利用して全体モデルを解析せず、対称領域のみを解析した場合の境界条件で分類出来ます。

 

対称性の適用はモデル化の便宜性、解析時間短縮が可能となるため、非常に効果的な手法です。

構造物の幾何形状と荷重が対象である場合、1/2モデル、または1/4モデルを利用して要素数を減らすと解析時間を短縮させるため経済的なモデルを作る事が出来ます。しかし、対称モデルを利用して得られた解析結果は全体モデルに対して表せないので全体モデルの変形形状や応力分布を確認する際には制約が掛かります。この時、アドバンスド表示ツールバーに内蔵されている対称表示機能を使うと1/2モデル、1/4モデルの解析結果を全体モデルへ拡張して確認できます。

 

 

対称境界条件を与える方法

幾何形状、材質、荷重、境界条件が一つ以上の平面や軸に対して対称であれば対称境界条件が使用できます。対称モデル表示では1/2、1/4、1/8対称モデルの結果を全体モデルへ拡張、出力する機能を提供しています。対称境界条件を与えるためには構造物が対称面が侵入できないように境界条件を指定する必要があります。

以下の図はソリッドモデルの対称拘束条件を与えた例です。YZ平面に対して対称境界条件を与える為に並進自由度Txを拘束しました。もし、XY平面ならTzを、ZX平面ならTyを拘束するべきです。

 

 

<シェルとソリッドモデルの対称拘束条件>

また、ソリッド要素は回転に対する自由度が無いので対称モデルの境界条件中、移動変位のみ拘束します。しかし、シェルモデルの場合には対称面を侵入出来ないように回転自由度まで拘束しなければなりません。つまり、YZ平面に対してはTx、Ry、Rzを、XY平面に対してはTz、Rx、Ryを、ZX平面ならTy、Rx、Rzを拘束しなければなりません。

対称境界条件を適用する場合には荷重の大きさも対称条件に合わせて変換する必要があります。また、モデル形状と座屈形状は非対象振動モードまたは非対象座屈可能性の為に対称条件を適用してはなりません。