粘土材料を描写する時、使用されるモデルです。一般的な粘土地盤の圧力に対する体積変化量の関係を以下の図のように正規圧密線(normal consolidation line)と過圧密線(over-consolidation line)の概念を利用して表すことができます。過圧密線は膨張線(dwelling line)ともいい、作用された応力(荷重)の増加は応力状態が過圧密線にそって正規圧密線へ移動するようになります。追加的な応力増加で二つの線の交点を通過すると、応力状態が正規圧密線に沿って下がります。これは弾性-塑性硬化モデルの応力-ひずみ曲線と類似な特徴をみせると言えます。つまり、過圧密線は初期線形弾性区間で正規圧密線は塑性硬化区間で対応できます。

<体積-圧力vs応力-ひずみ関係>
修正 Cam Clayyモデルを使用する為には初期空隙比や初期応力、初期線形圧密荷重を定義する必要があります。線形圧密荷重の場合、直接入力されたり、初期応力と過圧密比(OCR)から自動的に計算できます。このとき、過圧密比と線形圧密荷重を同時に入力した場合、直接入力された線形圧密荷重を優先的に使用します。
修正 Cam Clay モデルの主要非線形パラメータは以下の通りです。

記号
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意味
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過圧密線の傾き
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正規圧密線の傾き
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臨界状態線の傾き
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地盤の物性値は一般的に1次元圧密実験から得られて空隙率(void ratio、 )に対する のグラフから圧力指数 と再圧縮指数 が得られます。圧縮指数と再圧縮指数は正規圧密線の傾き 、過圧密線の傾き から次の式の関係を持ちます。

限界状態線の傾き は有効せん断抵抗角(排水試験によるせん断抵抗角)との関係を通して推定出来ます。

: 三軸圧縮試験から求めた内部摩擦角
OCRの値を用いて現在自重による応力分布から原地盤状態の応力分布を計算します。入力されたOCRによって深度別で応力が計算されるので、地表面は実際の地盤が持っている初期応力より過小評価される可能性があるので、Pc (Pre-consolidation pressure)値を直接定義できます。OCRとPcを同時に設定する場合、Pc値を優先的に使用して解析に反映されます。
Pcを入力した場合には入力されたPcと原地盤の応力状態が降伏関数を満足するかをソルバ内部で検討し、満足させると入力されたPcを使用し、そうでない場合にはPcを計算し直します。
[許容引張応力]
MCC材料モデルは破壊基準(応力-ひずみ関係)で基本的に引張応力を許容しません。しかし、圧密過程に成土荷重による周辺地盤のヒ-ビング、掘削による隆起など、引張応力が発生する条件が出来るので、材料モデルの限界を克服し、実務適用範囲を拡張しようと入力した'許容引張応力'の範囲内で発生する引張応力に対しても解析が実行できるようにしょりされています。
許容引張応力の数値は決まった大きさがなく、上載荷重(成土)、破壊挙動によって発生する引張応力より大きく入力出来るように繰り返し解析が必要な部分です。したがって解析実行中に引張破壊によって解析結果が発散して止まった場合、許容引張応力の値を設定しなければなりません。
ただし、pc(先行圧密荷重)を直接入力する場合、許容引張応力の大きさはpcの値を超えることはできません。OCRを通して定義する場合には入力した許容引張応力の大きさを考慮して内部的にpc値を自動的に計算します。
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