上図は代表的な非線形解析に対する解析制御と結果制御の設定ウィンドウです。上のように各解析タイプごとに追加設定する制御オプションが区分されてあり、詳細な内容は以下のテーブルのようになります。
( * : 時間ステップを設定する解析タイプ)
<表.静的解析 – 解析タイプ別解析制御オプション>
タブ区分
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固有値、 応答スペクトル
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*線形時刻歴 (モード/直接積分)
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*非線形時刻歴、
*非線形時刻歴+SRM
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*2D 等価線形
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一般
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初期温度
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水圧(自動水圧)
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水圧(自動水圧)
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-
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水位
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初期温度
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初期温度
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15.固有値ベクトル
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水位
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水位
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部分飽和土
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固有値ベクトル
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部分飽和土
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最大間隙水圧(負)
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部分飽和土
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最大間隙水圧(負)
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非排水材料挙動を許容
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最大間隙水圧(負)
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非排水材料挙動を許容
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16.質量パラメータ
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非排水材料挙動を許容
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質量パラメータ
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-
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質量パラメータ
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-
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-
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-
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-
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非線形
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-
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-
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収束条件
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-
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アドバンスド非線形設定
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動的解析
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17.モード重ね合わせ方法
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減衰定義
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減衰定義
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21.有効せん断ひずみ
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18.減衰定義
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-
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-
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収束条件
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19.スペクトルデータ補間
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補間制御
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-
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質量パラメータ
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斜面安定
(SRM)
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-
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-
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20.時間定義
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-
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非線形パラメータ
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収束条件
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安全率
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アドバンスド非線形パラメータ
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(* : 時間ステップを設定する解析タイプ)
<表.動的解析 – 解析タイプ別解析制御オプション>
1. 水圧 (水圧を自動考慮)

モデルの全ての自由面(free surface/edge)に水圧を外力で考慮するオプションです。水圧は指定された街頭自由面での間隙水圧を基準に計算されます。
· 水位を指定した場合、水位基準で静水圧状態と仮定
· 以前浸透解析を実行した場合、各接点で計算された間隙水圧分布(大きさ)を使用
· 間隙水圧が負(-)の値を持つ場合、水圧が自動的に考慮されない。
(注意) モデル内部の間隙水圧に相応する外部水圧が存在しない状態をモデル化する場合にはこのオプションを解除しなければなりません。水位線を指定して応力解析を実行する場合、自由節点と該当節点で水位高さによって間隙水圧が計算されるため、より正確な地下水位の影響性の検討のためには浸透-応力完全連成解析を勧奨します。

<水位下の掘削時に掘削面自動水圧を適用>

2. 初期応力解析
初期応力解析に自重を適用
単一解析地盤の応力状態を初期化する為のオプションです。計算された初期応力は自重と平衡状態を成し、源地盤の状態解析に定義されたような境界条件が解析に使用されます。時刻歴解析で自重を考慮する場合、初期In-situ 応力を計算する必要があります。そうでない場合、自重付加による望まない振動が発生することがあり、特に非線形時刻歴解析では自重を必ず含まないといけません。
Ko条件を適用
方法は である常数 値を用いて垂直応力から水平応力を計算して初期応力に設定する方式です。
この方式を使用すると、まず、自重解析によって垂直応力 を求めてその値から による水平応力を求めます。この時、せん断応力は解析後に道出された結果値をそのまま維持します。
地面が水平の場合にはこの方法を使用するのは問題ないですが、そうでない場合には以上のように求めた応力状態は自重と平衡にはなりません。
平衡状態を維持しない状態で応力が調整された場合には続く応力解析で外力の変化が無い場合にも外力と平衡を合わせる方向へ応力が変化し、これによる変形が発生します。したがってKo方法はこのような追加的な応力の変化が相対的に小さい場合について適用が可能な方法です。一般的に、Ko方法による応力修正が使用出来る条件は次の通りです。
· 水平方向についての地盤形状の変化が微々たる時
· 間隙水圧の分布が水平方向に対する変化がない時
· 水平方向のフリーエッジ/フェイスに対する境界条件によって水平方向の応力が発生できる時
· 横等方性(transversely isotropic)材料を使用する場合、材料軸が垂直または水平軸と一致する時
Ko 条件を適用しない場合、自重による解析を通して得られる応力状態を初期応力状態に設定します。地面が水平の時、この方式は である 方法と同様です。そうでない場合には水平方向のひずみが存在するので、 方法とは異なる結果を導き出し、せん断応力も発生します。
一般的に地盤が斜面である場合にはこの方法を使用することが望ましいです。ただし、この方法は1より大きな 値を設定することが不可能であるので、1より大きな 値を使用しようとする場合には不可避に 方法を使用した後、追加の外部条件に変動なく、再解析を通して平衡状態を計算するステージ(null stage)を追加する方法が使用できます。ただし、この場合の最終平衡状態応力は 条件を満足しなくなります。また、修正された応力が平衡点との差が大きい場合には非線形性から収束解を計算するのが難しくなることがあります。
変位初期化
解析の途中に変位を初期化する条件が必要となり得ます。例えば、源地盤の解析ステージで自重によって発生した変位やひずみは考慮したくない場合、初期化オプションを使って源地盤状態の変位とひずみを‘0(zero)’で初期化できます。
また、施工ステージ解析中に任意のステージで変位初期化が可能であるので何回かの中間ステージ解析を行った状態を基準(reference) 状態で考慮することができます。変位やひずみの初期化は該当施工ステージ解析が終わった時点で適用されます。
注意) 幾何非線形を考慮した非線形解析を行う場合、総変形を任意で修正するのはステージの間の連続性を保障することが出来ません。したがって幾何非線形解析を利用した施工ステージ解析時には変位初期化機能を使用しないのが望ましいです。

3. 初期温度
単一解析に反映されたモデルの初期温度を設定するオプションです。チェックが入っていない場合には‘解析設定'で定義した初期温度の値が考慮されます。温度荷重による影響を検討する際に適用され、入力した温度荷重との差だけ解析に考慮されます。
4. 水位
水位定義
地下水位の高さを直接入力したり、予め水位を指定した水位関数を選択して水位を設定します。設定された水位はモデル全体に適用されます。水位関数を使用する場合に入力する値は関数値にかけられて適用されます。
メッシュセットに水位定義
地下水位をメッシュセットごとに定義できます。
例えば、岩盤または粘土質の不透水層で囲まれた地下水層(被圧帯水層)の場合、地層による地下水位の有無をそれぞれ設定して解析できます。
全体地下水位が入力されていてメッシュセットに地下水位を定義した場合にはメッシュセット地下水位が優先順位で反映されてメッシュセット誓う言いが定義されていないメッシュセットにだけ全体の地下水位が反映されます。
5. 部分飽和土
部分飽和土効果は飽和土(saturation)が不飽和状態(Se=0)で飽和状態(Se=1)の間の値を持つ状態についての正確な解析をするためのオプションです。部分飽和土は次の二つについて適用します。
· 有効応力と全応力関係を計算するに部分飽和土を適用(Bishopの有効応力関係式を使用)
· 材料の単位重量計算に部分飽和状態を考慮して部分飽和状態の場合には単位重量は飽和状態の単位重量と不飽和状態の単位重量の間の値を持つ
部分飽和土効果を考慮しない場合にはTerzaghiの有効応力関係式が使用され、単位重量は間隙水圧の分布によって飽和単位重量または不飽和単位重量の値が使用されます(間の値は使用されない)。飽和土は間隙水圧の関数で定義され、部分飽和土効果を考慮するには該当材料の不飽和関数(unsaturated property)を定義して間隙水圧に対する飽和土の関数を定義しなければなりません。

6.最大間隙水圧(負)
最大間隙水圧(負)を入力された数値で制限するオプションです。部分飽和効果を考慮しない場合にTerzaghiの有効応力関係式が使用されるので不飽和状態地盤に対する間隙応力(pore stress)が過度に計算に反映される可能性があります。したがって部分飽和効果を考慮しない場合、間隙水圧(負)を特定値に制限する必要があります。逆に、部分飽和効果を考慮する場合、Bishopの有効応力関係式を使用するのでこのような危険性はありません。つまり、不飽和状態で部分飽和関数(unsaturated property)を通して間隙応力の大きさが制限され、特に間隙水圧(負)の制限は必要ありません。
7. 施工ステージ 一般

[初期応力解析ステージ ]
施工ステージの中で源地盤条件で考慮するステージを設定し、Ko条件を適用にチェックを入れます。Koに対する詳細事項は‘初期応力解析' オプションを参考にして下さい。初期応力解析ステージで指定された施工ステージは自動的に変位が初期化されます。
最終計算ステージ
基本設定は最終ステージまで計算であるが、任意段階で解析を止めて該当段階の結果を中間検討する場合、最終計算ステージを別度設定することができます。
リスタートステージ定義
施工ステージの定義時、各段階別解析制御で‘リスタートステージ保存' オプションがチェックできます。このオプションにチェックが入ったステージは別度の結果ファイルを自動保存し、一度解析を実行した以降に同一のモデルについて再解析を行う際に結果ファイルを保存した次のステージから再解析を行うことができます。多くの施工ステージが定義された場合、リスターとオプションと共に有用に活用できます。
リスタート(Restart)オプション
経線形解析では収束基準を満足しなかった場合、信頼性問題が発生する恐れがあるので施工ステージ解析でも各段階ごとに収束基準の満足有無が重要です。特に、施工ステージ解析は単一解析と比べて多くの時間が掛かり得るので収束条件を満足しないステージが発生した場合、以前のステージまでの結果ファイルを保存してモデルの得意事項を検討/修正してリスタート出来る様に‘収束しなかった場合、前ステージを保存' オプションを配置しました。また、ユーザーが途中のステージまでの解析結果を確認するために解析を強制終了した場合や、コンピュータシステムの不安定による解析の強制終了に備えて各ステージ別に結果ファイルを全て保存できるように‘全てのステージを保存' オプションを配置しました。ただし、施工ステージ毎に解析結果を全て保存する分、結果ファイルの容量が大きいのでコンピュータの保存スペースの確保が必須的です。

8. 荷重ステップ

非線形静的解析では静的荷重(static load)を使用することができます。定義された荷重の総量を一度に付加したりいくつかのステージを通じて増分形態に分けて累積量を付加することができます。荷重の増分量があまりにも大きい場合、反復計算を通じて収束解を計算するに難しさを感じるかもしれなく、逆に荷重増分量が過度に小さく、必要以上の大きな時間が所要されることがあります。
9. 収束条件

非線形解析は反復法を利用しているので収束条件を利用して解の収束状態を判断します。収束条件について満足したかどうかは以前の反復計算に対する変位または、荷重、エネルギーの変化量をそれぞれの基準値と比較して成されます。このような三つの条件中選択された条件が全て満足された時に反復計算が収束したと判定します。
10. 弧長法

FEA NXでは非線形解析の解を計算するためには反復的に誤差を減らす方向へ増分解を計算する方式のNewton-Raphson法を基にした反復計算法を使用します。基本的に反復計算ごとに剛性行列を更新するFull Newton-Raphson法を使用して剛性行列の更新時点によって修正Newton-Raphson法、若しくは初期剛性法等が使用できます。また、収束性を向上させる為のLine Search、不安定平衡状態を計算するための弧長法等多様なオプションが使用できます。(詳しい内容は解析マニュアルCh.5-5 参照)。 反復計算法は収束条件を満足する増分解を得るまで繰り返されます。正確な数値的根拠がなければ、初期設定された値の試用を勧奨します。
最小弧長調節比
初期弧長対比現増分弧長の変化率の最小値を入力します。弧長が無限に小さくなる現象を防止します。
最大弧長調節比
初期弧長対比現増分弧長の変化率の最大値を入力します。弧長が無限に大きくなる現象を防止します。
最大弧長増分
最大弧長増分を入力します。弧長法を利用した非線形解析は荷重要素が1より大きかったり、最大増分数に到達するまで実行されます。弧長法の場合、問題によって与えられた荷重まで解析が出来ない場合があるので、これに備えて最大許容荷重増分数を入力します。
11. アドバンスド非線形設定

基本的に設定されている非線形解法のパラメータを利用するもので多くの問題で‘初期設定使用' オプションを選択します。各詳細設定は以下のようになります。
手法

反復計算時ごとに、毎回の剛性行列を再構成するNewton-Raphson法と初期剛性行列を維持する方法で非線形性が極弱い場合に適切な初期剛性法があります。その他、Newton-Raphsonの材料性質による収束性及び効率性を増大させるための修正Newton-Raphson法または割線法が選択できます。詳細なアルゴリズムは解析マニュアルCh.5を参考にしてください。カスタマイズの場合、望む方式で剛性行列を再構成するもので、反復計算、半自動、自動中選択できます。
解析オプション
収束しなかった場合解析終了 – 収束失敗時解析を終了します。オプションが選択されていない場合、収束されていない場合にも解析を進行します。
最大反復回数(増分ステップ毎) – 単一増分で最大反復回数を指定します。
荷重増分最大分割数 – 最大両分化ステージを指定します。
Line Search 制御 - Line Search機能を使用します。荷重によって剛性が増加する柔軟な構造物または非線形解析の解が振動しながら収束する特性を持つ問題で役に立ちます。効力の内問題では解析時間だけ増加することがあります。
最大Line Search/反復回数 – 反復計算当たり最大Line Search数を入力します。
Line Search 許容誤差 - Line Search許容誤差を入力します。
発散許容回数 – 収束しなかった場合、許容する発散回数を任意指定することができます。修正Newton-Raphson法は毎荷重増分初期に剛性行列を再構成します。

12. 施工ステージ 接触

接触要素は節点共有がされていない要素間で自動作成することができ、隣接要素を自動探索して節点共有のような一体挙動を描写するための要素です。節点共有の失敗による解析上のエラーを防止出来る経済的なモデル化方法です。したがって作成した接触要素は解析に使用有無を設定する際に施工ステージ上でステージ別に任意設定ができません。つまり、施工ステージの全段階に掛けて解析に反映するか除外するかを決定することができ、ステージ毎にアクティブ化、非アクティブ化処理をしてはいけないので施工ステージの解析制御ではこのような接触要素の使用を決定するタブが別度に構成されています。

13. 初期条件解析(浸透流)
浸透(非定常)解析実行の際に地盤内の初期間隙水圧の分布を定義するオプションです。時間による水位変化を考慮する非定常流解析は必ず初期条件が設定されている必要があり、次の様に非定常流の時間ステップで時間が‘0(zero)'の時、値を初期条件に選択したり、任意指定された水位、または水位関数を利用して初期条件に選択できます。

14. 安全率 (SRM)
解析初期安全率と各反復計算ステップ別安全率の増分を入力します。その他、安全率の正確度が設定できます。
安全率 - SRMを利用した斜面解析は強度低減法(strength reduction method)を利用し、安全率(Resolution of safety factor)の値を入力して安全率計算の正確度が指定できます。安全率の正確度は安定性解析で収束条件で使用されます。しかし、安全率を過度に低く入力すると、解析時間が大きく増加することになり、次の様なガイドラインを活用して適切な値を入力する必要があります。
安全率
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適用
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0.05
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低い(初期検討に活用)
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0.01
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中間
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0.005
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高い
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<表.動的解析-解析種類別解析制御オプション>

15. 固有値ベクトル

計算したい固有振動数の個数(モード数)を入力して求めたい周波数の範囲を指定します。計算されていない固有値があるか確認するオプションが適用できます。
16. 質量パラメータ
分布質量 – 節点間のう連係項を考慮した質量行列を使用します。チェック時、分布質量(consistent mass)行列が使用され、解除時には集中質量(lumped mass) 行列が使用されます。正確度側面ではどっちが高いという通念はありませんが、一般的に固有値解析で集中質量行列を使用した場合、分布質量を使用した場合よりもう少し柔軟な(flexible)挙動をする傾向があります。
17. モード重ね合わせ方法
実際の物理量の最大値が各モード別の最大物理量(変位、応力、部材力、反力などの各成分別の最大値)の和であると仮定すれば、各ムードの最大値を足すだけで結構でありますが、各モードの最大値が同一の時間ステップで発生するという保証がないために単純線形重ね合わせのみではモード別の最大値で実際物理量の最大値を表現するには無理があります。
したがって近似的に最大値が評価出来るモード重ね合わせ方法の導入が必要です。モード間の干渉特性や減衰の影響等を考慮した色々なモード重ね合わせ方法が提案されましたが全ての場合について適切な近似値が得られる方法はないので提案された色々なモード重ね合わせ方法の特性をよく把握する必要があります。モード重ね合わせ方法は以下の通りであり、詳細なアルゴリズムは解析マニュアルCh.5を参考にしてください。

この方法は全てのモード別応答が同一の位相を持つという仮定の下でモード別絶対最大値が全て同一時刻に発生すると判断するので最も保守的な結果を提供します。
この方法は各モードが十分に分離されている場合に適切な結果を提供します。
この方法はSRSS方法で絶対最大値を持つモード(m) 一つのみを分離した形であり、SRSS方法と同様に各モードが十分に分離されている場合に適切な結果を提供します。
この方法はSRSS方法に隣接な周波数のモードに対する影響を含む方法です。つまり、2つのモードの周波数が次を満足すれば周波数10% 以下に隣接していると判断します。
モード間相関係数(cross-correlation coefficient)が1の場合、SRSS法の結果と同一になります。

18. 減衰

[モード減衰]
各モード別にユーザーが直接減衰比を定義して定義されたモード別減衰比に沿ってモード別応答を計算します。モード減衰は応答スペクトル/線形時刻歴(モード)でのみアクティブ化されます。
[全モードに対する減衰定数]
ユーザーによって直接入力されたモード別減衰比を除いた全モードについて基本的に適用される減衰比です。下のモード入力欄で指定した特定モードの減衰比を除いた残りのモードに全て適用されます。入力された減衰比と異なる場合にはここで入力された減衰比を基準にスペクトルデータが調整されて解析に使用されます。
[モード]
ユーザーが直接モード別減衰比を別度に入力するに使用され、モード番号とモード別の減衰比を別度に入力した後に追加します。
レーリー減衰
質量比例型減衰と剛性比例型減衰の減衰常数を算定します。減衰タイプでチェックされた項目について比例係数を直接入力したり、モード減衰から比例係数を自動計算するように選択することができます。
比例係数の計算の為にモードの周波数または周期を入力し、減衰比を指定すれば比例係数が自動的に計算されます。
ここで、モード減衰から質量&剛性係数を計算する際に材質別減衰を解析に反映できます。‘指定した材料から係数表示'機能で入力された材料の減衰比とこれから計算された減衰行列の減衰係数(alpha、beta)が確認できます。
19. スペクトルデータ補間
応答スペクトル荷重データの補間方法を選択します。スペクトルデータは周期に対する線形補間若しくは対数補間が可能であり、基本設定は対数補間です。スペクトルデータが減衰比によって複数個である場合、減衰比に対する補間もこのオプションを従います。減衰比一つに対するスペクトルデータのみが存在する場合には補間ができないので、次の計算式で補正します。(1.5/(40×減衰+1) + 0.5)
20. 時間定義(非線形時刻歴 + SRM)
非線形時刻歴解析中SRMの解析結果をみたい時刻を定義します。複数の時間ステップが定義できます。定義された時間の穂線形時刻歴応力結果からSRMの安定性評価を進行します。

21. 有効せん断ひずみ(2D 等価線形解析)

入力地震動または振動荷重の大きさによって地盤のせん断ひずみは時間によって持続的に変化します。これを等価線形解析に適用するためには有効せん断ひずみ概念を導入し、等価線形値を持つ物性に単純化して計算することになります。
周波数領域の解析では全ての周波数について一定のせん断弾性係数と減衰を持つことに解析されるので、材料の非線形性が考慮できません。したがって2D等価線形解析は以前のステージで計算されたせん断ひずみによって地盤の剛性と減衰比を変更する線形解析を反復実行し、地盤の非線形挙動を考慮します。この時、せん断弾性係数と減衰値を決めるために以前のステージで計算された最大せん断ひずみに1 より小さい一定の値 (50~70%)を掛けた有効せん断ひずみを使用しますが、このように有効せん断ひずみを使用する理由は以下の図の様に最大せん断ひずみは実際の挙動に比べて大きな変形エネルギーを誘発するためです。一般的に有効せん断ひずみ係数で0.65(65%) 若しくは地震マグニチュード を利用した の値を用います。そして周波数領域でRMS(root mean square)で計算した最大せん断ひずみより正確なせん断ひずみを計算するための機能で時間領域での最大せん断ひずみの計算方式を支援しています。


<最大ひずみと有効ひずみの差>
最大せん断ひずみの計算方式には時間領域と周波数領域があります。時間領域方法は時間によって荷重(加速度、力等)の変化を定義し、構造物の状態を微分方程式の形で構成します。したがって構造物の応答は各時間間隔ごとに微分方程式について積分を行う事で変位、速度、加速度応答が計算できます。周波数領域方法は地震荷重のように不規則な波形を持つ場合、荷重にどの周波数成分がどの比率で反映されるかを把握するのが難しいので、時間領域の波形を周波数領域に変化させて荷重と応答の周波数特性との関係や比率を把握する際に容易です。
[補間制御]
周波数領域解析のための周波数区間を入力します。効率的な周波数領域解析の為に補間法を使用しますが、補間は次の4つの中の1つを選択することができます。

全ての周波数内で計算'を選択すると、該当周波数領域内での全ての周波数に対する解析を行い、間隔を設定した場合に該当周波数領域内での解析周波数の間隔が設定した間隔になります。
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